| 会社紹介 |
竹内電機株式会社 松江事業所 〒690-0816 島根県松江市北陵町51番-1 https://takeuchi-e.co.jp/
昭和37年、兵庫県尼崎市に町の電気店として創業し、昭和55年に会社を設立。「高周波」と「真空」を得意とし、ネジ1個の調達から電気・機械・ソフトウェアの設計、配線組立、冷却装置まで一式を自社で手がける完全一貫生産の体制を持つ。次世代半導体材料研究装置は国内シェア8割を占める。平成13年に松江研究室を設置し、令和5年にソフトビジネスパーク島根内へ松江事業所を開設。熱プラズマを利用した技術開発の拠点としている。
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ガスに強力な高周波エネルギーを与えると、約1万度の熱プラズマが発生します。人工的な太陽のような環境です。そこへ原料を投入して一瞬で溶かし、あるいは蒸発させ、急冷・凝縮させると、極めて小さく形の整った粒子ができます。
チタンなら、粉の一粒一粒が溶けて丸くなります。金属3Dプリンターは粉を敷き詰めて焼いていくのですが、サラサラと流れる粉のほうがいいらしいのです。丸くする方法は他にもありますが、熱プラズマでやると、とても丸くなります。シリコンなら10ミクロンの粉が100分の1の100ナノになり、リチウムイオン電池の材料として研究が進んでいます。
特長は2つあります。ひとつは純度。電極を使わない誘導結合型なので、電極の摩耗による不純物が混ざりません。もうひとつは省エネと小型化です。装置名の「インバータ式」はそこを指していて、電源部に半導体素子を用いたことで、エネルギー効率が大きく向上し、装置も小さく収まりました。
当社が島根と関わったのは、島根県産業技術センターに従来型の熱プラズマ装置が納入される際、その工事を請け負っていたからです。立ち会ううちに「一緒に研究しないか」と声をかけていただきました。正直に言うと、そこから20年ほどは日の目を見ていません。研究室で成功しても、企業がビジネスで使うには量が足りなかったのです。
お客様はほぼ全員「大量に作りたい」とおっしゃいます。そこで装置の大型化に取り組みましたが、大きくすればトラブルも出てきます。1万度のプラズマに原料を一気に入れると温度が下がって火が消える。溶けた金属が装置の内面やノズルに付着して詰まる。省エネのために採用したインバータ電源も、大電力を長時間流し続けると回路が発熱して制御が狂う。
これを一つずつ解決していきました。島根県産業技術センターとは、装置内のプラズマの流れや温度変化をシミュレーションで可視化し、火を消さずノズルも詰まらせずに原料を大量投入できる構造とガスの流し方を突き止めました。国の戦略的基盤技術高度化支援事業、いわゆるサポイン事業では、プラズマの状態を監視して出力を自動調整する制御を組み込みました。電源は、次世代半導体材料研究装置で培った高周波のノウハウをもとに、冷却構造とノイズ対策を見直しています。こうしてようやく、産業規模での大量生産と安定運転にこぎつけました。
令和5年にこの工場ができて、ようやく受託試験ができる体制が整いました。受託試験は当社の強みです。同業他社さんは数キロワットの装置で数十グラム程度ですが、当社は量産に近いスケールで数百グラムから数キロの試験ができます。しかも他社さんは閉じた環境で試験されますが、当社はお客様に来ていただき、一緒に手を動かしながら相談して進める。そこで出た要望は、そのまま装置のカスタマイズに反映できます。全国各地の名の知れた会社さんが少しずつ来られていて、そのどれかが当たれば装置も買っていただけると思っています。
課題は認知度です。同じ装置を作る競合は国内にほぼないのですが、市場がニッチすぎて、そもそも知られていない。インターネットで調べて連絡をくださる方が多いので、情報発信の仕方を考えないといけません。
それでも、やっと「こんなことができます」と言える状態になりました。装置を売って終わりではなく、世界中の企業と一緒に新しい材料をつくっていきたい。電源の効率が上がっているぶん、お客様が粉を作るときの消費電力も抑えられます。3DプリンターやEV、そして環境分野の進化を材料の面から支える、世界的なリーディングカンパニーを目指します。
約1万度の熱プラズマで原料を溶融・蒸発させ、急冷・凝縮させることで球状粒子やナノ粒子を製造する装置。電極を用いない誘導結合型(ICP)のため、電極の摩耗による不純物の混入がなく、高純度の粒子が得られる。電源にはMOS-FET素子を用いたインバータ方式を採用し、従来の真空管式電源に比べて設置面積を5平方メートルから1平方メートルへ縮小、消費電力も抑えた。金属3Dプリンター用の球状チタン粉末や、リチウムイオン電池向けのシリコンナノ粒子などへの活用が見込まれる。装置の販売に加え、受託試験にも対応する。