会社紹介 |
松江土建株式会社 代表取締役社長 平塚 智朗 氏 〒690-8513 島根県松江市学園南二丁目3番5号 TEL(0852)21-3521 FAX(0852)21-8285 https://www.matsue-doken.co.jp/ 戦時中に地元企業の共同出資により創業したのが昭和19年のこと。公共の土木・建築工事に加えて、大型のスーパーマーケットなど民間施設などの実績も豊富。水質改善を行う環境事業を通じて地域社会に貢献する。 |
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環境部という部署ができたのは平成14年のことです。当時、国土交通省から宍道湖・中海の沿岸維持管理の仕事を請けたことがきっかけです。この仕事では沿岸の草刈りや打ち上げられた水草や流木の掃除も含まれているのですが、コノシロという魚が大量に死んでいたことがありました。「なぜ大量死が発生したのか」原因を様々な機関で調査したところ、「貧酸素(ひんさんそ)」との結論に至りました。宍道湖・中海は汽水湖であり、下層の塩水、上層の淡水が混ざりにくくなっているため、低層には酸素が行き渡らず「貧酸素」が発生すると指摘されました。
そこで「水質改善が必要だ」という話になり、人伝に紹介されたのが、酸素供給の機械を開発された九州のベンチャー企業でした。当初はそこから機械を購入していましたが、使っているうちに、機械の使いづらい点が目に付くようになりました。「もっと操作をシンプルにしたい」「堅牢でメンテナンスフリーにしたい」など、現場だからこそわかる課題が見つかりました。そこで「購入品をカスタマイズするというより、まったく違う理論で動く溶解装置が必要だ」と考えて、「WEPシステム」の開発が始まりました。
土建業者が装置開発に取り組むというと、事業の立ち上げは相当難航するのではないか、と思われるかもしれませんが、熱意溢れる社員が力強く取り組んだことで、立ち上がり自体はスムーズにスタートしたと聞いています。既に「建設不況」に突入していましたから、会社としても「新たな柱となるような事業」を模索していましたから、タイミングも良かったのかもしれません。開発チームは6名、当社から3名、装置の開発や設計に関する専門家を外部から3名を入れてスタートしました。
九州のベンチャーから購入した機械における一番の問題は、地上にある設備から水中に酸素を供給する際のバルブ操作のコントロールが大変難しいことでした。解決策についてはたいへん悩んだのですが、誰かが「機械自体を水中に沈めてはどうか」と思いついたのです。それまでの機械は水中に沈めることが出来ない構造であり、新しく考え直さないといけませんでした。多くの実験と検証を繰り替えす中、最も苦労したのが「酸素を噴射して水に溶かす構造」です。装置から酸素を噴射することで水に溶解させる訳ですが、装置を水に沈めてしまうと酸素が水中に上手く混ざりません。ここでも発想の転換が必要であり、試行錯誤しながら開発を進め完成したのが1号機です。国立研究開発法人土木研究所との共同特許を取得した「WEPシステム」です。
環境部の発足当時からWEPシステムを用いてダム湖や自然湖沼に酸素水を供給し水質保全を実施してきましたが、コア技術である気液溶解技術はまだまだ多用途展開できると技術に自信があったため、更なる小型化を行い、アクアミキサーを開発しました。養殖業者や工事現場での中和処理などへの販路開拓を進めています。こちらはかなり好感触で、養殖場からは「うなぎのツヤがよくなった」「生育が良くなった」、工事現場からは「炭酸ガスの使用量が削減できた」「清掃頻度が従来技術より少なくなった」というご意見も頂いています。さらに現在は使用するガスと用途を変え技術開発を進めています。
本来のダムや湖に使用するWEPシステムについても、コスト検証を行い、海外販路を模索するなど、試行錯誤しながら事業を進めています。またアクアミキサーは様々な気体を水に混ぜることができる汎用性の高い製品ですので、必ず認めて貰えると確信しています。
ダム、河川、湖などの水質改善を行う特許技術「気液溶解装置」を応用した水質改善システム。水中から水を吸い上げたのち高濃度の酸素を溶かし、改めて水中に放出します。高濃度の酸素を含んだ水を、1時間あたりおよそ120トン処理することが可能なため、国内の標準的な規模のダムであれば1か所に1基の設置で水質改善が可能。
「アクアミキサー」は排水処理や養殖場で使用する為に小型化した装置。類似品に比べ、目詰まりなどのトラブル発生頻度が低いことが大きなメリット。