○実施報告

ビジネスに新たなつながりを!
工場見学&企業交流会in三菱マヒンドラ農機

 2024年10月8日(火)、島根グリーンビジネスフォーラム(以下、「フォーラム」と記載)」において、「工場見学&企業交流会in三菱マヒンドラ農機」を開催いたしました。
 フォーラムは、次世代産業分野として成長が期待されるグリーン分野について、県内製造業のイノベーションを推進していくため、製造業がグリーンビジネスに取り組むメリットや、最新の情勢等の情報提供を行うと共に、新事業や新技術の創出に向けて、企業間や産学官のネットワークの創出を図るものです。
 本会は、松江市内の三菱マヒンドラ農機株式会社を訪問し、工場見学並びに同社CEOの齋藤 徹氏よりお話を伺う貴重な機会になるとともに、毎回恒例の県内企業の取組紹介や、参加者間の交流について、県内企業のミニ展示ブースを出展するなど、充実した内容となりました。

講演動画アーカイブ配信
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基調講演

 県内リーディングカンパニーの一つである三菱マヒンドラ農機株式会社。
 本年110周年を迎える同社では、農機や農業を取り巻く様々な社会変化-SDGsや環境を重視する世界的な動き、持続可能な食料システムの構築、国内農機市場の縮小など-を踏まえて、新しい事業の創出に取り組んでいます。
 セミナーでは、三菱マヒンドラ農機株式会社の工場見学及び、CEOの齋藤 徹氏より、同社が活路を見出そうとしている方向性について、環境関連事業のご紹介を通じてご高話を頂きました。

島根グリーンビジネスフォーラム開催の様子 島根グリーンビジネスフォーラム開催の様子
三菱マヒンドラ農機株式会社 工場見学の様子
 齋藤CEOのご高話に先立ち、参加者全員で三菱マヒンドラ農機株式会社の工場見学を実施しました。ご担当者の解説と共に、県内では珍しい「最終製品」の製造過程を間近で見学することができました。
 参加者からも大変好評を頂き、今後本フォーラムをより効果的に開催していく上でも、たくさんの示唆を頂ける機会となりました。

島根グリーンビジネスフォーラム開催の様子 島根グリーンビジネスフォーラム開催の様子
齋藤CEOによる話題提供の様子
サマリー
  • (齋藤氏は)長らく、日産自動車やVWグループに在籍。2022年よりこちらにご縁ができた。自動車は多くのお客様が都会にいるが、農機は地方にお客様がいる。今回、初めて日本の地方に暮らすことになったが、島根に暮らす素晴らしさを日々感じている。
  • 国内農機本機市場は、近年需要台数の減少が続き、厳しい状況を迎えている。さらに、大市場である米国でも、金利上昇が大きく影響し、低調な販売状況となっている。三菱マヒンドラ農機では、売上の3/4が国内、1/4が海外であるが、生産台数では海外向け中小型トラクターが最も多く、大部分は米国へ輸出している。本邦での売上は、大型を含む最終製品に加え、部品、工賃、仕入れ品など幅広い関連売上を含んでいるため、大きな金額となっている。
  • そのような中、国内にて農水省の「みどりの食料システム戦略」を背景に、環境・グリーンの追い風が吹いている。当社はこれまで、農業の作業効率向上を目指して様々な機械を生み出してきたが、一部の製品が環境保全に資するとして、同戦略に基づく施策により税制優遇を受けるようになった。
  • 環境に良く、高値で取引される「有機米」の生産に資する「紙マルチ田植機」。肥料の流出による下流域の富栄養化を防ぎ、農作業の負担軽減や収量・食味の改善につながる「ペースト田植機」。耕耘作業において作業効率3倍、燃料費1/4を実現する「ショートディスクハローKUSANAGI」。夏秋に高品質イチゴの安定生産を実現することで農家の収入増に資する「イチゴ周年栽培システム」。
  • これらの製品やシステムは、農家や他事業者との共創や、他者製品の改良などから生まれている。当社では、何でも一社でやる時代は終わり、共創することが重要であるとして、新ブランド「Together We Challenge 挑戦する喜びの共創」を定めた。
  • 県内企業との共創イメージについて。例えば循環型有機稲作体系において、当社では代掻きや田植え、刈り取り工程等はフォローできているが、循環型の有機堆肥の生産流通においては自社でビジネス化しきれていないため、このような分野についてアイデアをもらえれば大変有難い。我々は機械屋であり、農業に精通しているとも思っていない。皆様とのコラボにより、様々な課題に取り組んでいきたいと思っている。

フォーラム会員企業のグリーンビジネス取組紹介

 講演の後、セミナーに参加のフォーラム会員企業の皆様より、グリーンビジネスに関する取組紹介を頂きました。また、会場にはミニブースを設営し、活発な交流を行いました。

株式会社コダマ/溶射事業の紹介
株式会社島根情報処理センター/新技術「球状ギアへの挑戦」紹介
株式会社アルプロン/農業分野におけるカーボンクレジット化の取組について

お知らせ&今後のスケジュール

<セミナー>
価値ある技術を活かそう!
企業連携で加速するビジネス展開
 特許はただ守るために取る時代から、有効に活用してもらうために提供される時代に移行してきています。大手企業が市場規模が合わないために未活用な特許を活用しスピーディに新事業・新製品開発を行うヒント、知財ビジネスマッチングの魅力を伝えます。
 また、パナソニックグループの保有する開放特許を活用したオープンイノベーションの取組や他企業との共創事例のほか、具体的な技術シーズの紹介を行います。
 12月11日(水)開催。詳細・お申込みはポータルサイトをご確認ください。

トップインタビュー並びに
会員企業の製品・サービス一覧
 島根グリーンビジネスフォーラムのポータルサイトに、「イチオシグリーン企業のトップインタビュー」並びにフォーラム会員企業のグリーンビジネス製品・サービスの紹介ページを掲載しています。
 県内企業のグリーンビジネスへの取組状況についてまとめておりますので、是非ご覧ください。

グリーンビジネス相談窓口
 (個別相談)の開設
 グリーンビジネスへの事業展開に関するご相談に対し、相談内容によっては、当該分野に詳しい専門家とのメールやオンライン会議など、各種情報提供等を行います。

メールマガジンの配信
 「島根グリーンビジネスNEWS」として、グリーンビジネスや本フォーラムに関連するタイムリーなお役立ち情報を、メールマガジンでお届けします。

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