会社紹介 |
株式会社ミライエ 〒690-0021 島根県松江市矢田町250-167 TEL:0120-004-285、0852-28-0001 FAX:0852-31-3981 https://miraie-corp.com/ 2008年に祖業の「測量設計事業」から資源循環に係る「環境事業」へシフト。食品廃棄物や家畜糞などの「ゴミ」を微生物の力で堆肥化するべく、持ち前の高い開発力と産学官連携の成果を持ち寄り、新たに開発された「イージージェット」は、人が従事する時間もほぼゼロ化、寒冷地における高温発酵を可能にする性能を誇り、堆肥化コストも既往製品の半分程度まで縮減することに成功。2023年から食品加工業者向けのサブスク事業を始めるなど環境事業を拡大している。 |
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先代社長である父親は土木設計業を営んでおり、当時から下水の処理設計が得意で、関連業務を請け負っていました。当時、「このまま下水道が普及すれば汚泥処理が社会問題になる」と考え汚泥処理装置について調査したところ、価格や性能で満足いくものがないことが分かり、父は「市場参入するチャンスがある」と判断したようです。その当時、他社で営業職として働いていた私は、土木設計には全く興味がなく、父親の跡を継ぐ気も全くありませんでした。しかし「新事業として環境事業に参入するから手伝え」と父から声がかかり、Uターンを即決しました。
本当に直感でしたが、「これからは環境に関わる事業が社会で求められる」と強く思ったことがきっかけです。その中で関わった事業が「イージージェット」の市場投入です。基礎研究は島根県畜産技術センターがしており、2006年からそれを元に共同開発を始めました。実際に市場投入できたのは2008年、私が代表取締役に就任、従来の測量設計事業を一切やめ、環境事業一本にシフトチェンジを行いました。今日に至るまで、循環型社会の実現に向けて事業を推進しています。
2008年に市場投入したのですが、2006年から実証実験も兼ねて営業していました。最初の年は1台ご成約いただいたくらいで、なかなか売れない状況が数年続きました。ただ沢山の客先を営業に回ったことで、「構造が不明瞭」「すぐ壊れそう」「価格が高い」など、製品が購入されない理由、つまり「製品の改善すべき点」が自社にストックされていきました。そこからは顧客の意見も踏まえながら、当社独自の検証と研究開発を繰り返した結果、素材から見直してシンプルな構造に変え、また価格も抑えることに成功しました。当社製品は、市場で充分に競争優位性を確保できるくらい安価に抑えております。製品の改良には非常に苦労しましたが、他社が簡単に真似できない仕様まで昇華することができました。
また初めて市場投入したころから、インターネットを用いた営業を心がけて居ましたから、製品の改良が出来たころには全国から問い合わせをいただけるようになっていました。当時は「社長ブログ」が好評で、製品の利用者である畜産業者の声を取材して掲載していました。実際に製品を利用した「喜びの声」は、受注率UPに繋がったと思います。その後も耐久性の改善を続け、現在は90度の高温からマイナスになる寒冷地でも壊れない品質を実現しています。
いわゆる「家畜排せつ物法」が厳格化されたことが追い風になり、製品の品質も相まって受注高を伸ばしていますが、ほとんどのお客様が「10年に一度購入するかどうか」という類の製品です。販路拡大に工夫を重ねていく必要があると考えています。現在、販売パートナーもいる中国に対して力を入れていますが、更に規制の厳格な欧州でも闘える製品なので、充分にチャンスがあるかなと考えています。
また、家畜排せつ物の堆肥化から始めた事業ですが、2023年から食品加工業者向けにサブスク事業も始めており、販売領域の拡大に力を入れていきたいと考えています。
堆肥化の過程では微生物の力を借りていますから、酸素と温度の管理が最も重要な要素になります。「イージージェット」では、特許取得済の特殊ノズルが、ブロワの50倍の高圧空気を堆肥内部まで浸透させることで、堆肥全体にムラなく酸素を供給、微生物の働きを飛躍的に活性化します。実際、-30℃の極寒地でも高温発酵を実現しています。重機による切り返しの必要もないため、人件費や燃料代を大幅にカットできますし、何より日々の重労働から畜産家の皆さんを開放することができます。
また、目詰まりを防ぐ特殊な構造のノズルなので、メンテナンスも簡単です。既存の配管からでも入替可能です。
畜産家の近隣トラブルで最も多いのが「悪臭」問題ですが、好気発酵を順調にすることで臭気の発生を抑えることができます。イージージェットは、特殊ノズルから噴出する高圧通気が、通気性の悪い環境下でも酸素をムラなく供給し、好気発酵を促すことで悪臭の発生を抑制します。この結果、発酵期間も短縮できますので一石三鳥といえるでしょう。